仙骨神経刺激療法(SNM)について

排泄に関係する神経に持続的に電気刺激を与え、過活動膀胱や便失禁の症状の改善を図る治療法です。

難治性過活動膀胱に対する、仙骨神経刺激療法(SNM)について

仙骨神経刺激療法(SNM)は、排泄に関係する神経に持続的に電気刺激を与え、過活動膀胱や便失禁の症状の改善を図る治療法です。欧米では20年程前から実施されており、日本でも2014年4月から便失禁に対し保険適応となり、今回2017年9月に尿失禁に対して新たに保険適応となりました。

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過活動膀胱

過活動膀胱は「急に尿意をもよおし、漏れそうで我慢できない(尿意切迫感)」、「トイレが近い(頻尿)」、「夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)」、「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある(切迫性尿失禁)」などの症状を示す病気です。

過活動膀胱の治療は、行動療法や投薬がまずは第一選択として行われます。このような治療を行っても症状が改善しない場合を難治性過活動膀胱といいます。仙骨神経刺激療法(SNM)は、難治性過活動膀胱に対して保険適応があります。

仙骨神経刺激療法のしくみと効果

患者用プログラマ
仙骨神経刺激療法
刺激装置

体外に装着する機器を用いて一定期間(1~2週間)電気刺激をおこない、十分な治療効果が得られるかを確認します。効果が認められた場合には、体内植込み型の刺激装置を臀部に植込み治療を継続します。

刺激装置は体内に植込んだ後も長期的な症状の変化などに合わせて体の外から刺激を調整することができます。


米国で行われた臨床試験では、治療の開始3ヶ月の時点で、1日の尿失禁回数が約4割の患者さんで0回になりました。また、約8割の患者さんで手術前の半分以下に減少しました。頻尿の患者さんでは、約7割の方が8回未満の通常排尿回数となっています。これらは、1年後も効果が持続しています。

治療の流れ

1診察

治療適応があるかどうかについて、診察と検査で判断します。

2治療の説明・相談、排泄日記の記入

担当医師から治療の説明を受け治療を実施するか決定します。患者様ご自身で毎日の排泄の様子を1~2週間にわたり記録していただきます。

3リードの挿入

SNM(仙骨神経刺激療法)の効果を測定するために仙骨神経の近くに刺激電極となる細いリードを挿入します。麻酔をかけて行います。

4試験刺激期間

挿入したリードに体外式の刺激装置を接続して刺激電流を流します。刺激期間は1~2週間で、期間中は排泄の様子を記録していただきます。

5刺激装置植込み

試験刺激期間により治療の効果が認められた場合は、継続的な治療をおこなうために刺激装置を体内に埋め込みます。

6退院・フォローアップ

退院後は、患者様用プログラマを用いて患者様ご自身で刺激のオン/オフや刺激強度の調整がおこなえます。

日常生活で注意する事項をお知らせするため仙骨神経刺激療法手帳とカードをお渡しします。また必要な安全情報の提供を迅速に行うため、機器の製造販売元に埋め込み情報の登録を行います。