Drコラム 2017年

Drコラムは豊資会広報誌に掲載されたものです。

2012年以前のDrコラムは過去の広報誌で公開しています。

2017.05「膀胱がんについて」

佐藤親子医師

日本泌尿器科学会指導医
専門医 佐藤親子
プロフィールはこちら →

どんな病気?

日本では、10万人に7人程度できるがんで、男性が女性に比べ、4倍多いとされる病気です。

膀胱は尿路上皮という粘膜でおおわれています。膀胱がんは、尿路上皮ががん化することによって引き起こされます。その90%以上は尿路上皮がんという種類ですが、まれに扁平上皮がんや腺がんの場合もあります。

膀胱がんと診断される最初の症状としては、血尿、膀胱刺激症状(頻尿、排尿時痛、残尿感など)が多いです。膀胱がんが疑われた場合は、膀胱鏡検査(内視鏡検査)と尿細胞診検査が行われます。

何が原因?
はっきりとした原因は解明されていませんが、喫煙者は非喫煙者と比較して2~4倍、がんの発生リスクを高めるとされています。
治療はどうするの?

治療方法は、がんの進行度や腫瘍の悪性度(いわゆる顔つきが良いか悪いか)によって、異なってきます。

比較的早期で、顔つきが良いがんであれば、おなかを開かずに「経尿道的膀胱腫瘍切除術」をおこない、抗がん剤を管で尿道から入れる「抗がん剤膀胱内注入療法」を併用して、治療をすることができます。 進行しており、顔つきが悪いがんであれば、おなかを開く「膀胱全摘除術」や抗がん剤の全身投与を組み合わせる複雑な治療が主になってきます。

近年は抗がん剤の全身投与も以前と比較して副作用の対処法が進みましたので、外来で治療を行なうことも可能です。目に見える血尿が出た場合には、ためらわず、なるべく早く泌尿器科を受診しましょう。

2017.01「精索(精巣)捻転について」

武居哲郎医師

日本泌尿器科学会指導医
専門医 武居 哲郎
プロフィールはこちら →

どんな病気?
緊急手術が必要な泌尿器疾患の代表です。精索とは精巣動静脈・精子の通路である精管が一緒に走行して索状の構造になっているものです。精索の先が精巣となります。その精索がタオルを絞ったようにねじれ、精巣への血流が途絶える病態で、精巣の壊死・更に将来男子不妊症の原因ともなります。
症状は突然起こる陰嚢部の痛み・陰嚢内容の腫大・更に陰嚢の発赤です。痛みは激しく、その多くが深夜から早朝にかけておこります。
何が原因?
原因は解剖学的異常(生まれつき)です。元々、精巣の周りには水の溜まる空間(精巣漿膜腔)がありますが、精巣の全周には及んでいません。
しかし、その空間が精巣全周・更に精索周囲にも及んでいると、精巣は空間内で釣鐘状にぶら下がった状態で回転しやすくなっています。回転すると精索もねじれ、精索捻転となります。その為、発症は成人になる前(高校生以下)がほとんどです。
治療はどうするの?
血流が途絶えると精巣の壊死が起こるので、早急にねじれを解除する必要があります。用手的にねじれを整復できることもありますが、成功しなければ手術が必要です。
発生頻度は25歳以下の男性4000人に1人と言われていますが、子供さんがほとんどで男子不妊症との関連もありますので心に留め置いていただきたい疾患です。
豊資会広報誌 CareCure - ケアキュア -
豊資会広報誌・最新号表紙

豊資会の旬のニュースをお届けします。